2015-12-11

『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』赤羽 雄二著

 
 
A4の紙に1件1ページで書く。
ゆっくり時間をかけるのではなく、1ページを1分以内にさっと書く。
毎日10ページ書き、フォルダに投げ込んで瞬時に整理する。
それだけで、マッキンゼーのプログラムでも十分に教えていない、
最も基本的な「考える力」を鍛えられる。
深く考えることができるだけでなく、「ゼロ秒思考」と言える究極のレベルに近づける。


 
 

一生懸命考えているつもりで、実際は立ち止まっている。
気になることがあると、目の前のことに集中できない。
頭が働かず、考えがうまくまとまらない。
別の課題のことが頭に浮かぶ。
結局行ったり来たりで結論を出せず、堂々巡りする。


こういった「もやもやとした気持ち」をその場で言葉にする。
言葉にすることができると現状を認識することができるようになる。
現状を正確に認識できると課題が整理できるようになる。
課題が整理されると問題点の本質が見えるようになり、解決策が考えられる。
解決策が考えられるとどう動くべきか「意思決定」ができるようになる。


この一連の思考の「質」と「スピード」、双方の到達点が「ゼロ秒思考」
というのがこの本の趣旨。
考えているつもりで実際は立ち止まっていること、私は数え切れないほど覚えがあります。
その度にルーズリーフや無印良品の落書き帳に書いて自分なりに整理していました。
しかし、自分なりに、というだけあり今思えば無駄が多くその場しのぎの整理法だったように思う。


「ゼロ秒思考」に出会ったのは、神農亮さんの「A4のコピー用紙は、自意識を映し出す白いキャンパスだった」という記事のおかげである。
A4のコピー用紙という言葉に目が行った。
私は何かまとめたいことがあるとA4の紙にとりあえず書いてみることが多かったので、共感というか好奇心というか、どれどれ…と気になったのである。


さて、本筋に戻る。
「ゼロ秒思考」の訓練方法として筆者が編み出したメモ書きが以下の通り。


- A4用紙を横置きにして、1件1ページ、4~6行、各20~30字で書く。

- ゆっくり時間をかけるのではなく、1ページを1分以内にさっと書く。

- 朝起きてから寝るまでの間、1日に10ページ書く。

- 書いたA4用紙は、7~10このカテゴリーに分けたクリアファイルに毎晩整理していく。

 


ゼロ秒思考を読了後、このメモ書きを実践している。
実感したのは3点。

1 )簡単なようで難しい1日10枚
始めるまでは、こんなに日々様々なことを考えて生きているんだから10枚なんてすぐに書けると考えていました。
実際はなかなか書けない。個人差はあるでしょうが、私には今でも10枚が多く感じる。
考えるだけなら簡単だが、いざ言葉にして書こうと思うと書けない。
通りで頭の中がまとまらないわけである。思い浮かんでは忘れていることがほとんどなのだ。
忘れたくないことは即座に紙に起こさなければならない。


2 )書く時間に対して求められる量がかなり多い
1件に対し4~6行×各20~30字という量。
書いてみれば分かるが、1分で書くにはかなりのスピードで書かなければならない。
書くスピードより考える速度の方が速くなければならないのだ。
これこそがゼロ秒思考のための訓練か、と合点がいった。


3 )クリアファイルでカテゴリ分けをする重要性
上にも書いたが、書き終わった紙は放置でも捨てるでもなく、カテゴリ分けをしたクリアファイルにどんどん投げることで整理していく。
私はテープ糊をつけた付箋をクリアファイルに貼り付け、それに黒のマジックでカテゴリの名前を入れることで分類している。
付箋というのはオリジナルだが、基本的には筆者が薦めている手法である。
必要性に応じて変えたり、他のカテゴリと1つにまとめてしまっても良いそうだ。
つまり、このカテゴリは現在自分の頭の中にあるもやもやの種類を可視化したもの。
自分が今向かう課題を分かりやすくしている。
また、後々見返すことで過去の自分の頭の中を覗き、その時のことを思い返すことができるようにもなっている。


今後もこのメモ書きを続けていこうと思う。
非常に洗練された思考整理法なのでぜひ試してみて欲しい。


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